竹林寺木造文殊座像

トップページ高知県の観光高知県の美術彫刻>竹林寺木造文殊座像

木造文殊菩薩座像は藤原時代初期の特徴を有する佛像である。寺の縁起には行基菩薩が聖武天皇の勅願によって支那五臺山に似た山を国中に求めて来て、この山を五臺山に酷似の山として文殊堂を建立、梵僧の助けに依って赤栴檀を刻んで之を作ると書いてある。しかしながら此の佛像の材は楠である上に、作風上から見ても行基以後のものである。この佛像は甞て寶永元年即ち行基が開山してより九百九十六年目に當り藩主山内豊房公が御願ありこの文珠像を江戸に護送し音柱国寺にて三十日餘の開帳を行ひしに評判一時都下に遍く五代将軍生母桂昌院尼も態々殿中に迎へ之を拜し白金織文を寄附せられた、此時携へ行きし寶物能登守教經の矢は測らずも新井白石の目に留まり其著書本朝軍器考の一材料に登載せられてをる仝二年引續き大坂生玉曼荼羅院にて開帳あり終るや否や歸國し仝年秋又土佐國にて大開帳を行ひ其の祭儀を終へたのである、かかる次第にて古来より甚だしく尊崇せられたものである。

彫刻

トップページへ戻る  高知県の観光へ戻る 
高知県の美術へ戻る