竹林寺木造文殊座像A
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土佐に於ける佛像の國寶に列するものは八十餘躯であるが未だこの尊像の右に出づるものはない。それで明治四十四年四月に侍者佛と共に國寶指定になってをる最も卓越せるものである。文珠像の臺となって居る唐獅子は一時紛失し山内忠義公が代りに刻ましめて取付てあったのを大正七年新納氏が修理の時に計らずも竹林寺の天井裏より足の焼けたのを発見して修理を加え取り付けたもので唐獅子は頗る古撲で雅致に富み、文珠尊像と共に高踏卓絶せる作品である。文殊座像を觀賞的に言へば圓顔蠶眉容智にたけた慈悲の表情が浮んで軽く微笑を湛えてをる上に其の頂ける寶冠は美術工藝として研究の價値がある。
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