恵日寺十一面観音像

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全身白木彫りのままにて箔も塗らず、漆も施したるあとなし。須彌壇の内に秘しありしを以て外面少しもよごれたる所なく、一見して新しき製作の如く見ゆる。然れども少しにても指頭を之に觸るれば内部の蟲害甚しき爲め忽ちに毀落ちて本尊の形を損ずる。外觀は寶冠を頂き木製白毫で木眼である。左手は屈臂して蓮花を差して生けたる寶瓶を持ち右手は右に伸して居る、衣褶の変化ありて纒衣の彫刻甚だ巧にて前方に長く垂れ前膝にかかってをる。其作風につき観賞的に云へば顔面に凄みありて超越的なる表情を含み霊感人に迫る、然し短所として左手稍大にして兩足其に稍小に過ぐるにあらざるか。此佛像には寶暦三年に修理す云々との銘が後背に墨書してある。

安芸郡中山村薬師堂薬師如来坐像

※写真とは無関係です

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