恵日寺毘沙門天像
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木造毘沙門天立像(香美郡山北村)は藤原時代の作風の特色を有し明治四十四年八月に國寶とし甲種四等の指定を受けたるものであつて佛身の高さ三尺四寸八分ある。用材は基盤などに使用するガヤの木で手法は總身一本彫りにて内刳り等はない。大体の外觀は木眼にて肉髻寶冠を頂き白毫なく。左手を屈臂し寶塔を提げ左肩を少しく上げ右手は延ばして鉾を杖つき腰をゆり力を左足に置きて右足を軽く踏み出して力を抜き右膝を屈す。兩足には靴を穿ちて岩上にある夜叉を踏みつけてをるこの佛像を鑑賞的に云へば全身の比例權術より各部分の割合適當であって批評の餘地は少い顔面の表情は忿怒の相が足らずしてやさしい愛があるが然しそれは此の時代の特徴である、纒衣の皺襞は変化に富み寫實的で感じがよいこの佛像も未だ近代にて修理してないから後背など破損してをるから修理を要する。

※写真とは無関係です