大乗院薬師如来坐像

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第三章武家美術時代

第三節彫刻

木像藥師如來坐像(佐川町大乘院)は鎌倉時代の作風の特色を存し大正五年八月國寶の指定となりしものにして佛身の高さニ尺八寸ニ分ある。佛身の格好は各部分權衝を失はす。寫實的に整然と現はれて洵によく引締つて見える堅實な作風である、脇侍日光菩薩と月光菩薩とは本尊藥師如來と同一の作者らしく作風上に共通點があつて、曲線が長く伸びやかである日光の足、月光の左手や足は後世の作らしく見える。用材は檜材にて手法は總身內刳りにして耳の後にて頭部左右より胴にかけて縱にはぎ面部耳の前にて左右に割りて內刳りにし、頭部は首にて胴にとりつけ、胴の正面、中央縱にはぎ兩手を柄にて肩にとりつけ、右手は臂及手首にてつぎ左手は袖ロに差し込んである、具体的に云へば本像は螺髮、肉髻、白毫、嵌入、玉眼右手、屈臂、左手を膝上に安じ結跏趺座左足を以て右脛を押ゆ、螺髮は頂上缺損し肉髻も損じ、面部、首部、肩、左右手臂何れも損傷し左右手首より先きは後世の拙作。膝の部分鼠害にて三大穴ありて本像は後世の修理に僞金箔を箔りたるものである。

彫刻

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